冬の水分補給 受験生も大人も意識的に

~冬も脱水に注意~

冬場は、発汗量が少ない等の要因によって水分の必要性を感じにくく、水分補給を怠りがちになります。そのため「かくれ脱水」とも呼ばれる脱水状態に陥ることがあります。

脱水からくる症状は、受験生の学習や実力発揮を妨げることはもちろん、受験生を支える先生方・保護者様のサポート力も低下させることにつながるリスクがあります。
冬場も水分補給を心掛けましょう。



冬は飲水が減りがち

冬場は発汗こそ少なくなるものの、それ故に飲水の必要性を意識しにくく、なおかつ社会的にも水分補給の重要性に対する認識が低いことから、夏と比べて飲水に注意が向けられにくくなります。
また冬は空調等により乾燥した環境におかれやすくなり、その結果、体から水分が蒸発しやすくもなります。
これらが原因となって冬季でも水分不足に陥ることがあります。

脱水による症状とそれに伴う弊害

主な症状

  • 集中力の低下
  • 日中の強い眠気
  • 頭痛
  • 食欲不振
  • 腹部の不快感
  • 胃もたれ
  • 体に力が入りにくい
  • 筋肉痛
  • 足がつる

特に受験生は入試当日の集中力低下・眠気に注意が必要です。

これらのほか、疾患の発症を誘発する、先生方の指導に支障を来しうる以下の症状も起こりえます。

  • 血栓傾向:心筋梗塞、脳梗塞を発症するおそれ
  • 免疫力低下:感染リスクの増大
  • 口渇:指導に支障を来す

特に血栓傾向は、心筋梗塞脳梗塞など死亡ないし重大な後遺症を残す原因になりうる疾患の原因となる場合があるため注意が必要です。

飲水量とタイミング

注意

  • 心疾患、腎疾患などの基礎疾患がある場合や、夜間頻尿がある場合は必ず主治医の助言を受けてください
  • 尿意のため就寝中に目が覚めてしまう場合は就寝前の飲水量を減らしてください。また飲水を減らしても尿意による覚醒が続く場合は泌尿器科等を受診してください

飲水量とタイミング

こまめな飲水が効果的です。以下のタイミングで飲水するといいでしょう。

  • 起床時コップ一杯
  • 日中:可能な状況下では30分に1回程度の間隔で一口でも摂取。これが難しい場合は休憩時間等の度に
  • 就寝前適宜尿意のために夜間起きてしまわない程度の分量を見つけ出すことが重要です)

また1日の飲水は、成人相当の体格なら1.2L程度を目安にするといいでしょう。

  • 成人は1日に2.5Lの水を必要としますが、1日に飲水のほか食物で1.0L、体内での水生成(代謝により生成される水)で0.3Lの水が体に供給されます

小学6年生~中学3年生は、平均的な体格なら1.0L程度を目安にしましょう。

  • 小児は成長に伴い体水分割合が減っていき、それに伴い必要な体重当たりの水分量が微減するため必要な飲水量の伸びが緩やかになります

受験生はここにも注意

  • 試験時間中の尿意による集中低下や、離席による時間の浪費を防ぐため過剰な飲水は控えましょう。また各科目の試験時間前にお手洗いへ行っておくことが大切です
    • 普段から飲水の適量を見極めておきましょう。
    • 志望校の入試当日のスケジュールを確認し、計画的な水分補給をしましょう。
  • もちろん入試本番では、試験中の精神状態や自律神経の乱れ、会場の室温など尿意の出現に影響しうる、予期しにくい要因も存在します。「試験中に尿意が生じた場合の動き」を先に考えておくことも重要です。入試日より十分前もって募集要項等で「試験中にお手洗いへ行く場合の決まり」を確認するほか、試験開始前にお手洗いの場所等を確認しておきましょう。

その他脱水を防ぐためにできること

体からの水分の蒸発を抑制するため、室内の保湿・加湿も講じましょう。湿度は50-60%が理想的です。

また筋肉量が減少すると体の水分保持能が低下します。日頃から適度な運動をして筋肉量の保持に努めましょう。

まとめ

  • 冬は自覚せず脱水を来すことがある
  • 起床時や就床時の飲水を、起床中は30分に一度の飲水が望まれる
    • 基礎疾患があれば主治医のアドバイスを受けてください
    • 尿意のため就寝中に目が覚めてしまう場合は就床前の飲水量を減らしましょう
  • 受験生は入試本番での飲水について事前に方針・計画を立てる
    • 尿意が出現した場合の対応も事前に考えておきましょう