2021年6月10日作成
コロナ禍では熱中症を特に警戒すべき
2021年6月9日、福岡県久留米市で最高気温35.6℃の猛暑日となりました。今年も厳しい暑さが予想され、しかもコロナ禍でマスクを着用しなければならない環境下において熱中症の多発が懸念されます。
熱中症そのものの危険性に加え、症状として挙げられる体温上昇や倦怠感は新型コロナウイルス感染症と類似することから、熱中症の可能性が高いとしても教育機関様や行政・医療機関等はコロナ対応とせざるを得なくなる可能性があります。
コロナ禍において熱中症は発症の危険性自体が高まっている上、発症者が出た場合には御本人の健康が損なわれるだけでなくコロナ対応によって多くの人や機関が多大な負担を強いられる結果を招く恐れがあります。生徒様の発症を防ぐため、教育機関様においても対策を講じることが望まれます。
予防のための対策
まずは熱中症に対する一般的な予防策についてまとめます。
- 温度の高い環境をできるだけ避ける
- 屋内では冷房を強めにし温度を低く保ちます。
- 暑い日や時間帯の外出を減らすようにしましょう。
- ただし、いつも涼しい環境にいて汗をかくことがない状態が続くと「汗をかきにくくなる」など体温を下げることが難しくなり、暑い環境におかれたとき熱中症に罹るリスクが高まります。本格的な暑さを迎える前に適度な環境での30分程度の運動や2日に1回程度の入浴をし「汗をかくこと」に慣れておきましょう。(暑熱順化)
- 水分補給を行う
- 喉が渇く前に少しずつ水分を補給していく必要があります。飲料として1日1.2リットル程度を摂取することが好ましいとされています。発汗が多いときはスポーツドリンクや経口補水液を摂取するようにしましょう。
- なお水分の大量摂取は危険です。飲料の種類によって低ナトリウム血症やペットボトル症候群(清涼飲料水ケトーシス)など死亡リスクのある疾患を引き起こす恐れがあります。1日1.2リットル程度を目安に適量の摂取を心がけてください。
教育機関様ができること
- 換気を維持しながら教室や自習室等の温度を低く保つ
- コロナ対策として開窓は続ける必要があるため、熱中症を防ぐためは冷房を強めにしておくことが必要です。
- 生徒様の水分補給を促す
- 水分補給のときのみ一時的にマスクを外すことを認めこまめな水分補給を促してください。その際、他の生徒様との会話を避けること、水分補給が終わったら直ちにマスクを再着用すること等を指導する必要があります。
- 生徒様・保護者様に予防対策を周知する
- 施設外でも熱中症予防を図ることができるよう対策をプリント等で周知するほか情報収集を促しましょう。
その他注意点
15歳未満は熱中症の発症リスクが高いため、小学部・中学部では特に十分な注意と対策が必要です。