2021年6月2日作成
六月病とは
六月病は正式な病名ではありません。年度替わりに伴う環境の変化に対する適応障害の一種とされる心身の不調です。五月病と比べて不調が遅く現れる分、根が深く深刻な不調であると考えられます。
主として環境の変化が大きい1年生にみられますが、クラス替えや新担任、新たなカリキュラム等によって2年生以降にも生じることがあります。 コロナ禍によって生徒様がこれまでよりも負荷の高い環境におかれているため以前よりも六月病にかかる頻度が高くなることが憂慮されます。
六月病の主な症状
抑うつ状態(いわゆる”うつ病”)に近い心身の症状が現れます。
- 体に現れる主な症状
- 不眠
- 寝つきが悪くなる
- 睡眠の途中で目が覚める
- 覚醒が早すぎる
- 睡眠時間の割に疲れが取れない
- 食欲の低下
- 頭痛や胸の苦しさ
- めまい
- 吐き気
- 不眠
- 心に現れる主な症状
- 不安感
- 気分の落ち込み
- 物事に対する興味や喜びの低下
- 集中力の低下
- イライラ、怒り
- 意欲の低下
- 焦燥感
教育機関様での対応
教育機関様での対応としては以下のようなものが考えられます。
- ストレスや負担の大きい環境にさらされないよう可能な範囲で環境の調整を図る
- 根治的な解決策ですが教育機関様が直接介入できることは必ずしも多いとはいえないため、機会をみて保護者様も交え生活環境などを尋ねて共に対応策を検討することが考えられます。生徒様や保護者様の理解が得られそうであれば心療内科等の受診を促すことも考えたいところです。
- ストレスの軽減を図る
- 学業に支障を来さない範囲でのストレスの解消法をアドバイスすることが対応の一つとして考えられます。先生方の御趣味を紹介し勧めてみる等も一つの方法になり得ます。
- 悩みを吐き出せる場面を設けるか紹介する
- 悩みを一人で抱え込むことは不調を増悪させる原因となります。面談など悩みを気軽に打ち明けられる場を設ける、またはそうした場を紹介すること等が対策として考えられます。
- 睡眠の改善を促す
- 睡眠の改善や生活上の負荷を減らすアドバイスをすることが考えられます。例:就寝前に5-10分程度をかけてストレッチを行う、授業終了後の過剰な食事を控える(逆に空腹が強い場合は甘みの少ないヨーグルト等を摂取する)